ハイブリッドSEがハイブリッドな生き方を考えるブログ

IT業界の人材不足の原因は対価なのか?

終電逃しても帰宅できないエンジニア

IT業界は人材不足と言われています。

人材不足の原因は一体どこにあるんでしょうか?

日本の技術者と世界の技術者の対価の違いは?

原因の1つに対価があるかと思います。

日本の技術者の給料とは一体どれくらいなのでしょうか?

海外でも通用するエンジニアになる: 海外ITエンジニアのメリット(待遇編)

記事の中に紹介されている、2010年度の平均給与は以下の通りです。

・コンサルタント:597万円
・プロジェクトマネージャ:600万円
・上流工程担当のSE:515万円
・下流工程担当のSE(≒PG):455万円
・ネットワークエンジニア:485万円
・データベースエンジニア:499万円
・保守・運用:452万円

では、海外のエンジニアはどのくらいか?こちらも同じ記事から引用すると、

アメリカ

・プログラマ:約694万円
・ソフトウェアエンジニア(アプリケーション):約765万円
・ソフトウェアエンジニア(業務システム系):約838万円

フランス

・プログラマ:35 100ユーロ(約397万円)
・ITエンジニア:37 820ユーロ(約427万円)
・SE・コンサルタント:43 000ユーロ(約486万円)

だそうです。これは平均値ですので実際の日常生活を送る上で高給なのか薄給なのかは単純に比べることはできません。ただ、給料における休暇の割合を考慮すると日本のエンジニアは働くことに対する対価は少ないと言えるかもしれません。

「3K」などのネガティブイメージが先行してしまっている

もうひとつは、そもそも志望する人が少ないことがあるかもしれません。

IT業界は3Kと言われたりしてます。「きつい」「厳しい」「帰れない」

IT業界にいる身として、3Kは感じることはあります。ただ慢性的にそうか?と言われるとそうではありませんし、これは会社や案件によるので一概にすべて当てはまるとは言い切れません。3Kなどと言われる原因のひとつは工数ベースのビジネスだからというのがあるんじゃないでしょうか。

工数とは作業量です。人月(にんげつ)とか人日(にんにち)という単位です。

要は、1人が1ヶ月作業すれば完了できるという場合は1人月の作業量となります。

作業量でお金が発生するので、逆に言うと決まった時間内に完了させないとお金にならない。時間を過ぎれば実質タダ働き的な感じなので、それが3Kに繋がっている気がします。

必要なスキルを学ぶ場が少ない

これまで、対価の面と業界のイメージの面と見てきました。

最後はスキルの観点。IT業界は技術進歩によりかなり将来性のある業界でもあります。

したがって、業界の成長に伴い、求められる人材のレベルも高まってきていると思います。

ただ日本の情報教育は世界に比べて進んでいません。Skypeが生まれたエストニアでは小学校からプログラミングの授業を実施するために活動が進んでいます。

日本はスキルを学ぶ場は圧倒的に少ないと思います。ただ、これまでは独学で学んできた人もいるわけですし、わざわざ場を用意するまでもないという意見もあると思います。

しかし、3Kのイメージだったり、仕事の実態とは関係のないところで志望者が減っているのであれば、実態を適切に伝える場は必要性が高いのかもしれません。

教えることができる人がどれだけいるのか?というのも場と同様に課題だと思います。

最後に、IT業界の人材不足に関する記事で興味深い話がありましたので紹介します。

日本でプログラマが少ない理由は正当な対価を支払わないからである – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)