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≪映画レビュー≫【未来のミライ】は過去の細田守作品に比べ、ちと生々しい

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連日酷暑の毎日ですが、元気ですか?

夏と言えば細田守監督!ということで、7/20(金)公開の最新作「未来のミライ」を公開日当日に観て来ました。今回はそのレビューです。

※あらずじ的な意味でのネタバレはありますが、視聴に影響するほどじゃありません。

僕は細田守作品が好きで、これまでに公開された以下の作品は全て観て来ました。

  • 時をかける少女
  • サマーウォーズ
  • おおかみこどもの雨と雪
  • バケモノの子

細田守作品が公開されたら即観に行くというスタンスなので、実はあまり前提知識を入れない状態で観るんです。いつも。今回の「未来のミライ」もどんな作品かわからない状態で観ました。

その結果抱いた感想は「なにこれ、なんか生々しいな」でした。

世間の皆様の意見も賛否両論分かれています。

とまあ、こんな感じです。僕は個人的に面白かったです。ただ、面白いというのは世界観というより、その生々しさですが。

ネタバレしない程度に書くと、今回の「未来のミライ」はとある家族とその血縁の話です。家族を描く作品は数多ありますが、これまでの作品と大きく違うのが「家族完結」という部分。

家族がテーマの作品(主にアニメ)には代表的なものに、

  • ちびまる子ちゃん
  • サザエさん
  • クレヨンしんちゃん
  • あたしンち

などがあります。そのどれもが主人公が友達や周りの人と関わりを持ちながらいろんなことを学んだり、思い出を共有したりするわけですが「未来のミライ」では他者(友人や知人)との関わりはほぼゼロです。

主人公である男の子「くんちゃん」の自尊感情が揺れ動く様を描いています。そこに影響を与えるのが自分の家族であり、血縁者でありというストーリーです。

僕が抱いた生々しいの正体は、「自分の中である程度、感情や物の捉え方を整理して、自己消化(昇華)しないといけない」というものです。

インターネットを通じて他者とのつながりを持つことは容易になったわけですが、承認欲求を満たすことに躍起になりキラキラした生活を演じてみるとか、それを見て「自分は…」とネガティブになってしまうとか、そういう側面も実際にあるわけです。

つながりが容易になればなるほど自分のことを素直に表現できない、クローズドな領域から出られない、その中で自分を保つにはどうしたら…、というのは現代の問題のひとつにあるような気がします。

僕は「未来のミライ」を通して、家族というある意味クローズドな世界の中でいかに自分の自尊感情をコントールするのか?という処世術的なものを感じ取ることができるような気がします。

酷暑な毎日なので、涼みがてら映画館に行ってぜひ「未来のミライ」どうでしょう!