先日の読書会の記事に書いていたように2017年のBEST BOOKを紹介します。
紹介するのは「世界の終わりの歩き方」です。
著者は投資家でもあり、実業家でもある松田元さん。
実は松田元さんとは一度お会いしたことがあります。
5年ほど前に福岡でとあるセミナーが開催されたのですが、その時の講師でした。
当時のセミナーでも圧倒されたんですが、今回紹介する著書も同じくらいの衝撃。
著書は9つの”オワリ”についてまとめられています。
内容は、政治、国家、経済、平和、労働、家族、倫理、SEX、ヒトの9つです。
僕が持った感想は「自分の人生の手綱は自分で引かないと」です。
ノマドワーカーという言葉をご存知の方は多いかと思います。
ノマドとは遊牧民の意味で、オフィスなど物理的な場所に制限されない働き方をしている人たちを指した言葉です。
このような働き方が可能になった理由のひとつにインターネットの普及があります。
インターネットにさえ繋がれば好きな場所で仕事をすることができます。
インターネットに繋げるという感覚も最近は薄れていますよね。
だってスマートフォンは当たり前のようにインターネットに繋がっていますから。
そして、今や1人1台スマートフォンを持つ時代です。
著者はこの状態を「個人のグローバル化」と呼んでいます。
ITの進化により、個人が全世界に対して情報発信者、受信者になれるわけです。
インターネットの普及により、出会った事もない人と繋がりを持つ事ができますよね。
同じテーマに興味を持った人などとコミィニティ形成することも容易です。
また、コミュニティは国籍や国家という概念を超えて形成することもできますよね。
著書内で紹介されていたコミュニティに「アノニマス」があります。
アノニマスは著書を通して初めて知ったのですが、ハッカー集団です。
政治的な意思表示や政治目的実現のために、ハッキングを手段として活動する人たちの国際的なネットワークのこと。
アノニマスの活動についてのまとめもありました。
この活動が善か悪か議論はあると思いますが、
行動の素早さや実行力は国家にも勝さるとも劣らない影響力を持っている
と考えることもできます。
このように、国家とは全く別の概念のつながりが力を持つ時代です。
国家が国民をコントロールすることはほぼ不可能な時代になってきています。
ITの進化により、個人が世界とつながれるようになり、
そのつながりが影響力を持つ時代になってきているわけですが、
その流れをさらに加速しているのが仮想通貨だと思います。
著者は【経済のオワリ】の中で以下のように話しています。
いったん、今の金融システムはリセットせざるをえないだろう。
でもそれは、経済ゲームが次なるフェーズに行移行することを意味する。
その鍵となるのは、マイナンバー制度と仮想通貨とIoT。
今の金融システムは法定通貨(ドル、円、ユーロ、元など)です。
しかし、いずれの国も経済を拡大させるために金融緩和政策などを繰り返し、
紙幣をばらまくことで、紙幣価値を下げているとも解釈できます。
赤字の額も年々増加しています。
紙幣への信用が薄れてきているなかでの仮想通貨の登場。
そもそも管理者が存在しない仮想通貨は人間の信頼度が価値に直結しています。
こういう時代の流れを考えると、ただなんとなく生きることに危機感を覚えます。
今回の著書は「今、世の中で何が起き、それはどういう理由で起きているのか?」
という事の流れも細かく記載してあります。
関連するデータも一緒に載せてあるので現状を把握しやすいと思います。
冒頭でも言った通り、自分の感想は「自分の人生の手綱は自分で引かないと」です。
自分が属している国家は今どんな状態なのか?
なんとなく過ごしているだけでは疑問にすら思わないかもしれません。
しかし、本を通して言語化してもらうことで現状を突きつけられるわけです。
自分の人生がコントロールできないという状況には非常に恐怖を感じます。
皮肉にも物事はシンプルで主体的に取り組んだ人はきちんと恩恵を受ける世の中です。
ITの進化により、物理的な距離は0に、情報も統制されない限り自由に手に入ります。
「聞いた事ある」「知ってる」は何の優位性も持ちません。
行動あるのみですね。