世界各国のプログラミング教育は非常に活発です。
日本のIT産業はというと、2020年にはウェブビジネスの市場規模が2010年の4.5倍に拡大すると予測されています。(出典:日本を成長を支える「ウェブビジネス」)
今後ますますIT業界の発展と、それに伴う人材育成が重要になってきます。
IT人材育成には教えることができる人材が不可欠です。IT人材育成の観点で千葉大学教育学部の取り組みは非常に有益なものだと感じました。
具体的な取り組みについては記事をご覧いただきたいのですが、一言で言うと、教師の卵が教育を通してITを学ぶという取り組みです。
その後、アイデアや事業モデルを出し合うアイデアソン(アイデア+マラソン)というワークショップを、授業2コマ使って行いました。学生がアイデアを出してそれを深めていく時間です。アイデアソンの後、グリーさんで実際にゲームを作っているプロデューサーやデザイナーの人に来て頂いて、アイデアを具体的にどのようなゲームアプリにするかという話をして頂きました。
普段ITを学んでいる学生ではなく、普段教育を学んでいる学生が事業について考える。教師を目指す学生にとって、事業を考える感覚は直接的には関係ないことのように思えますが敢えて取り組む。経験上、体験したことを教えることは教科書的な知識を教えることよりも何倍も受講者(聞き手)にとって効果がある気がします。
教師という仕事は知識を伝えることだけではないと思います。知識を教えるだけなら塾でいいと思いますので。
教師と塾講師で違うことのひとつに、どのように勉強への動機づけを行うか?を考えるという部分があると思います。塾に来る生徒は勉強をしに来ているので、勉強への動機づけは特には必要ないかと思います。しかし、学校という場所はいろんな生徒がいるでしょうし、皆が皆、勉強大好き!という生徒ばかりではないと思います。
いろんな生徒がいるからこそ、生徒にあった学習への動機づけをどう行うか?が重要になると考えます。
千葉大学の教育学部の学生の方は、もともと専攻にはないITという分野をどのように学習するのか?自分自身で動機づけを行う経験を積むことができるのではないでしょうか。
学習において重要なことは、どう動機づけるか?なのかもしれないと思いました。
このような取り組みを考える上で、
「私、プログラミングわからないし。」「そんなことできるのかよく分からないし。」
といったような声が出てくるかと思います。
常々思うのですが、1から100まで全部をわかる(理解する)必要はないと思います。
記事の中でも、最後にまとめとして以下のように言われています。(以下、引用)
これからは、教養として基礎的な知識は持っておいて欲しいと考えています。プログラムを専門的に作るというより、いろいろなプログラムを組み合わせてシステムを構築するという発想は、教育カリキュラムを作っていく上でも大切です。来年度以降の授業では、意欲のある学生については選択制で時間をかけてプログラミング体験をさせようと考えています。
わからなくても、知っていれば、知っていることがきっかけとなり理解するよう努めます。でも、知らなければ、理解しようとする気にすらなりません。
適材適所という言葉があるように、得意な分野は誰しも持っているわけです。得意分野を持つ人同士が補い合うことの方が、自分で不得意分野を補うようり効率が良いと思います。
ただし、誰と一緒に取り組むかを考える際に、“誰”を見極める力を持つことは重要です。
“誰”を見極めるためには、まずは知らないことにはどうしようもない。
まずは知ること。知ろうとすること。
それに尽きます。